Posted on: 2018年2月17日 Posted by: まつを Comments: 0

 

 

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平昌オリンピックの真っ最中ですね。

先ほど、ちょうどフィギュアスケートのFPが終わり、見事羽生選手と宇野選手が金銀アベック入賞を果たした。刑事選手はメダルには届かなかったものの、初めてのオリンピックの舞台で堂々たる演技を見せてくれた。

 

今大会も日本人選手たちが素晴らしい活躍を見せてくれているということで今日は、スポーツのメンタルに関する話を。

 

 

今回の五輪で注目していた2人


今回のオリンピックで、僕が特に注目していたのが男子フィギュアスケートの羽生選手とスノーボードハーフパイプの平野選手の2人。

若いながら参加した前回のオリンピックでもメダルを獲得した2人は、今回の日本選手団の中で金メダル獲得が期待される有力選手として、開催前からメディアで頻繁に取り上げられていた。

 

なぜ注目していたかというと、前回は初のオリンピックの舞台で若さと自分の出せる力を発揮しようという純粋な思いで、見事メダル獲得を果たした二人。

前回はプレッシャーもなく、国民からも「絶対メダル獲得!」と期待されて挑んだわけではありませんでした。

そのこともあって、余計なプレッシャーを感じずに自分らしい演技を披露することに集中すればよかったのだと思います。

 

もしかしたら、他にも考えていることはあったのかもしれませんが、そこは僕の想像がこれ以上は及びません。(笑)

前回とは打って変わって、今回彼らは全国民からメダルを期待される状況でのオリンピックでした。

それでもまだ、19歳と23歳の2人がどのような結果を残すのか、僕はとても興味深くみていました。

 

 

前回から今回の五輪までの4年間の支えは何だったのか?


前回のオリンピックで羽生選手は金メダルを、平野選手は銀メダルを獲得したことで、一躍次のピョンピョンオリンピックの注目選手になりました。

つまり、4年間勝ち続けなければいけないのです。

これはとても大変なことです。

一度の負けが、メディアでは「五輪行きに不安か?」と書かれてしまいます。

 

ですが、このプレッシャーに耐えて勝ち続けた2人のメンタルは並大抵のものではありません。

僕は恐らく、この4年間の2人を突き動かしたのは、前回のオリンピックで味わった悔しさではないかと考えています。

 

羽生選手は、金メダルを獲得したものの、FPの演技では2度のジャンプ失敗があり、完璧な演技には程遠いものでした。

やはり、緊張もあったのかもしれません。

方や平野選手は、スイスの選手に負けて2位という結果に終わってしまいました。

1位の選手には、まだ技術力の面で劣っていたのは確かでした。

 

ドキュメンタリーなどを見る限り、ソチオリンピックが終わってからの2人は、さらなる練習を自らに課し、技術の向上に努めていたようです。

究極の目標は、【自分の納得のする演技】をすることなのでしょう。

そこを目指す道は果てしなく、道なき道を進まなければならないので、立ち止まっている暇などなかったのでしょう。

 

 

五輪直前に2人を襲った悲劇


順調に技術を更につけて成長していた2人は、オリンピック直前に大きな怪我に見舞われました。

羽生選手は、練習中にジャンプの着地を失敗してしまい足首の靱帯を損傷、平野選手もジャンプの着地に失敗してしまい、膝の靱帯と内臓を損傷してしまいました。

 

ここで2人に共通していた点は、焦らずに完全に治るまで安静にしていたところです。

多くの選手は怪我をしたとき、早く復帰しなければという不安に駆られて、無理に復帰してしまい再度怪我を悪化させるということが多く見受けられます。

自分も素人ですが、大学生時代足首の靱帯を損傷しましたが、無理に復帰して悪化させてしまい、結局半年間もサッカーをすることができなくなった経験があります。

 

この間に2人の不安を打ち消してくれていたのが、平昌で最高の演技を披露するという想いだけだったのではないでしょうか。

平昌で最高の演技を披露するには、最高のコンディションで挑むこと、それはつまり怪我を完治させることです。

 

僕たちスポーツをする人は、大きな目標を設定し、それを成し遂げるためにはどれだけ細分化した目標を設定し、乗り越えていけるかが恐らく重要になってくるというのが、一流の選手たちを見ているとわかってきます。

羽生選手は11歳のときから、大きな目標、例えば「次の大会で優勝する」というような目標を立てて、そのためには「それぞれの採点項目で何点取るか」の目標数字を設定し、その数字を越すために練習に取り組んでいたようです。

 

これは実はとても大事な練習のプロセス方法で、ドラッカーの言う「成果を上げる人の特徴」を体現しています。

ここの詳しい話は、また今度したいと思います。

平昌で最高の演技を披露するという目標というか、至上命題が2人にはあったので、大きな怪我を乗り越えてカムバックしてくることができたように思います。

 

 

大舞台で再び最高の演技を披露した2人


そして、迎えた今回のオリンピック。

平野選手は決勝で1回目を失敗し、後がなくなった2回目の演技で、1位のショーン・ホワイトを上回る素晴らしい演技を披露しました。

それも連続で難しい回転技を決めた初めての選手になりましたね。

 

残念ながら、3回目でショーン・ホワイトも最高の演技を見せて抜かれてしまいましたが、スノーボードの神様と言われているショーン・ホワイトを、あと一歩のところまで追い詰めました。

自らも納得の演技ができたことで、銀メダルには納得しているようでした。

 

ただ試合後のインタビューで、「自分はまだ若く次があるので、頑張りたい」と言っていました。

今回のメダルも銀でしたので、次の原動力になる新しい悔しさになったのではないでしょうか。

 

怪我からのカムバックで最高の演技を土壇場で披露したところに、彼の4年間の成長の結果を僕たちは見て取れます。

方や羽生選手は、SPを完璧な演技で終えて、今日のFPに挑みました。

綺麗にいかなかったジャンプはあったものの、どのジャンプも転ばず見事なステップを披露して2大会連続の1位に輝きました。

怪我で練習を始めれたのは1か月前で、ジャンプに取り掛かることができたのは2週間前からであったそうです。

その状況でもこのような結果を残すことができたのは、最高の舞台に最高のコンディションを整えてきた調整力、逆境に負けないメンタルがあったからこそなのでしょう。

 

 

誰のためにスポーツをしているのか?


競技が終わった後の2人のインタビューを見ると、2人とも口をそろえて「支えてくれた家族や周囲の方々、ファンに感謝したい」という旨の言葉を残しています。

これは一流のスポーツ選手に共通しているのですが、彼らは自分のためではなく自分を応援してくれる人のために競技をしているのです。

 

僕たち人間は、自分のためよりも誰かのために頑張るときの方が、普段よりも力を出せることが多いです。

つまり、一流の選手たちが常に限界に近い力を出せているのは、応援してくれる人に最高の演技を見せたいという、外的要因が大きいと言えるのではないでしょうか。

 

とすれば、今回の2人が前回から4年の長い歳月を乗り越えて結果を残せすことができたのは、前回の大会から目的が変わったからだと僕は見ています。

恐らく、前回は若さゆえにより高い技術を求めて自分のために成長しようとしていましたが、ある程度の技術が備わってからは目的が自分のためではなく、自分を応援してくれる人のために変わったのだと僕は考えています。

この変化が、ヤングスターをスーパースターに成長させる大きな要因であると僕は考えています。

 

 

スポーツで何より大事なのはブレないメンタル


僕が嫌いな言葉は、オリンピックの時期になると毎回言われる「メダルの色より、出ることでも立派」という類の言葉です。

これは一見すると、選手のプレッシャーを思いやっての優しい気づかいに思えますが、実際は選手に対してとても失礼な言葉なのです。

 

スポーツをしたことがある人ならわかると思いますが、スポーツは結果が全てです。

練習も、結局結果を出せなければ無駄に終わってしまうのです。

これは僕が学生の頃に痛いほど経験したから言えることでもあります。

いくら練習で得点をたくさん決めることができても、結局試合で決めることができなければその選手の価値はないのです。

まさしく僕でした。

 

で、その練習の成果を試合で出すには、メンタルの強さが全てです。

僕はこのメンタルがとても弱かったです。

試合ではいつもナーバスになり、上級生の試合に出ていた時には、試合前のメンバー発表のときには毎回「どうか呼ばれないでくれ」と祈っていましたし、試合中は「ボールが来ないでくれ」と祈っていました。

とにかく試合での失敗が怖かったのです。

もちろんこんなメンタルでは結果を残せるわけがありません。僕はこれでずっと苦しんできました。

 

スポーツには技術指導と同様に、メンタル指導も行っていかなければ、大事な試合で結果を出すことができる選手は出てこなくなってしまいます。

逆に言えば、メンタル教育も充実させることができれば、日本からたくさんの優秀なスポーツ選手を輩出することができると僕は思っています。

それに、最近の若い選手はどちらかとプレッシャーに強い、つまりメンタルが強靭になってきているのかもしれません。

それが今回のピョンチャンオリンピックで2人のような選手を見ることができて、僕はより一層確信しました。

 

 

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