
とても辛いことがあった今週の始め。
なんだか仕事も手に付かず、とはいえ週末には落ち込んでいるであろう彼女と引越しの手伝いにオヤジが来るわけで。
せめて僕は元気に迎えなければと思っていたものの、やはり一番愉快にしていたのはオヤジだった。
僕たちの状況は伝えていたし、彼女が落ち込んでいることも伝えてはいたが、相変わらずマイペースで常に楽しみを見つけようと動き回るオヤジ。
「オヤジは変わらんなあ」
そう思って付き合ったこの3日間、それはそれは忙しく遊んだ。
居酒屋での初めての彼女との顔合わせに始まり、家での二次会から昨日は部屋の片づけ、買い物、観光、また飲んで…。
正直、彼女も疲れているようではあったし、僕自身も疲れが溜まってきているのに、それでも元気に喋り続けるオヤジ。
確かに、僕が彼女を紹介したのは10年ぶりだから嬉しかったのだろう。
それにつられて、結局僕らも元気でいざるをえなかったように思う。
悲しみに包まれていた僕らを、嵐のようにひっかき回したオヤジが帰っていった。
オヤジが帰った後に、ふと思った。
とても忙しく、けれども楽しく充実した3日間で悲しむ暇もなかったと。
辛い時に辛い中にいると、辛いことから出ることができない。
そんな時こそ、外に出て、人に会って、美味しいものを食べて、「楽しいかも」と感じる時間を創る必要があるのかもしれない。
忙しくすることで、「辛いことを考えてしまう」時間を減らす。
辛いことばかりではなく、楽しい時間も僕らにはたくさん待っていることがわかると、明日からまた新しい一歩踏み出せる。
辛い時はたくさん行動することで、辛いこと自体をちっぽけなことにしていき乗り越えていく。
辛さを乗り越えるために行動し続けることが乗り越えるための一歩であり、自分の人生にこの一歩は大きな意味を持つ。
オヤジは僕らに、「辛い時こそ遊べ」と伝えたかったのかもしれない。